フェイスラインや下顔面がたるみやすいのはどんな人?根本原因とセルフケア方法

年齢とともに下顔面はだんだん長くなる

若いころの写真と今のご自分の顔を比べると、鼻下からアゴ先までの下顔面が長くなったと感じたことはありませんか?顔の下半分が長くなってきたかもと感じた人は、顔のたるみが進行し始めているサインかもしれません。どうして顔は、年齢とともにたるみ、顔の下半分が長くなってしまうのでしょうか?長くなった下顔面の改善方法はあるのでしょうか?このコラムでは、下顔面がたるみやすい要因とフェイスラインの引き締め方法、美容医療での治療について解説します。

たるみはすでに進行中?下顔面のたるみのチエック方法

毎日鏡で自分の顔を見ていても、たるみの進行には意外と気づきにくいものです。顔のたるみが気になり始めたら、鏡を見ながら以下のポイントをチェックしてみましょう。思っていた自分の顔と、実際の印象が違って見えるかもしれません。

フェイスラインのたるみのチエックポイント

  • ほうれい線が目立つ
  • マリオネットラインが目立つ
  • 顔の輪郭が以前と変わってきた
  • フェイスラインがはっきりしない
  • 二重アゴになっている
  • 口角が下がってきた
  • アゴと首の境がわかりにくい
  • アゴ下に肉がたまっている
  • 口横にもたつきがある

フェイスラインのたるみを放置したら老け顔に

フェイスラインのたるみは、放置するほど改善が難しくなります。たるみが進行して頬が下がると、フェイスラインやアゴ周りがもたつき、顔の下半分(鼻の下から顎先まで)が長く見えます。また、頬のたるみやシワが目立ちやすく、老け顔に見える可能性も高くなってしまいます。

下顔面やフェイスラインがたるむ原因は複数ある

顔は、皮膚、脂肪、筋肉、骨などのいくつもの層で構成されていますが、年齢とともに変化していきます。肌の弾力やハリを支えるコラーゲンやエラスチンが減少すると、肌は次第にハリを失います。同時に肌を支えていた脂肪が減少し、筋肉が衰え、骨が縮小し、筋膜や靭帯がゆるんでいきます。これらの変化は、すべてたるみに関係しており、加齢がたるみの大きな要因と言えるでしょう。しかし、たるみの原因は加齢だけではなく、他にもさまざまな要因が関係しています。

肌の弾力がなくなってフェイスラインがたるむ

紫外線によるダメージが積み重なると、肌のハリや水分を維持するのに必要なコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などが減少していきます。さらに、紫外線対策が不十分なまま日差しを浴び続けると、肌細胞を生み出す線維芽細胞が破壊され、新しい細胞の産生が低下し、肌のハリや弾力が失われ、たるみが生じやすくなります。

筋肉が衰えて下顔面のたるみが起こる

顔を含むすべての筋肉は、加齢や使わないことが原因で衰えていきます。最近は、メールやリモートでのやり取りが増え、直接のコミュニケーションの機会が減ったことで、表情筋を使うことが少なくなっています。その上、スマートフォンやパソコンを長時間使用することで下を向いたままの時間が増え、顔の筋肉が動かない状態が続きやすくなっているため、表情筋の衰えが進みやすくなっています。

脂肪が変化して下顔面のたるみが起こる

年齢とともに顔の脂肪は減少し、脂肪の位置も変化していきます。脂肪が減りやすい場所と、移動して溜まりやすい場所はおおよそ決まっており、額やこめかみ、頬の上部では脂肪が減少しやすく、下顔面には脂肪が溜まりやすくなります。脂肪の変化によって下顔面のたるみが生じやすくなります。

姿勢の歪みでフェイスラインがたるむ

猫背など姿勢が悪いと血行不良が起き、老廃物が蓄積しやすく、むくみやたるみが生じます。アゴが前に突き出た前傾姿勢は顔の筋肉を不自然に使うことになり、フェイスラインが崩れやすく、頬に余分な重力がかかることで顔のたるみや二重アゴになります。普段の姿勢もたるみを招く一因です。

むくみを繰り返してフェイスラインがたるむ

冷えや血行不良、疲れ、ホルモンバランスなど、むくむ理由は様々あります。顔のむくみが慢性化すると、血液やリンパの流れが滞り、コラーゲンの働きが低下します。さらに、老廃物が肌に溜まり続けることで、コラーゲンやエラスチンなどの弾力繊維が伸び、肌のハリが失われます。ハリを失うことで、フェイスラインはたるみやすくなります。

肌の糖化が起こり、下顔面がたるむ

ご飯やパン、お菓子などに含まれる糖質は、エネルギーとなる大切な栄養素です。しかし、過剰に摂取すると、余分な糖がタンパク質と結びつき、老化の原因となるAGEs(終末糖化産物)を生成します。AGEsが増えると細胞が老化し、血管や臓器にダメージを与え、病気を引き起こす可能性があります。お肌にとってはターンオーバーが乱れ、肌の弾力繊維であるコラーゲンやエラスチンが硬化し、たるみの原因になります。

自宅でできる、下顔面やフェイスラインのたるみを引き締める方法

たるみ予防のために、早めの対策を取りましょう。まずは自宅できる対策を紹介します。

スキンケアで肌細胞をサポートする

加齢でダメージを受けている肌を補うために、スキンケア商品は成分に注目してください。たるみが気になる場合は、レチノールやナイアシンアミド入りのものや、ビタミンC誘導体などの成分がお勧めです。クレンジングによる乾燥対策には、保湿成分のあるヒアルロン酸やセラミド入りのクレンジングを選択する方法があります。市販の化粧品は成分量の基準に基づいて作られており、あくまで効果は緩やかですが、丁寧に行うことで肌の老化を予防する効果が期待できます。

紫外線対策で肌老化を遅らせる

紫外線対策に欠かせない日焼け止めは、SPFとPAの表記を確認しましょう。紫外線には、エネルギーが強く日焼けや炎症の原因となるUVBと、波長が長く肌の奥まで届いてシワやたるみを引き起こすUVAの2種類があります。SPFはUVBを防ぐ指標で1〜50の数値で表され、数値が高いほど防御力が高くなります。PAはUVAを防ぐ指標で、「+」の数(1〜4)で効果の高さが示されます。ただし、数値が高いほど防御効果がありますが、肌への負担も大きくなるため、状況に応じた使い分けが大事です。日差しが強い日にはSPFの高いものを、外で過ごす時間が長い日にはPAの数が多いものを選ぶことで、肌への負担を抑えながら効果的な紫外線対策ができます。

表情筋トレーニングで下顔面を引き締める

アゴの下の筋肉は舌とつながっているので、舌の筋肉である舌骨筋群を鍛えると二重アゴやフェイスラインのたるみ予防になります。舌骨筋群を鍛えるには、「あいうべ体操」や「舌回し」などの舌のトレーニングが有効です。あいうべ体操は、口を大きく開けて「あ」、横に広げて「い」、口を突き出して「う」、舌を伸ばして「ベー」と、ゆっくりと発声しながら繰り返します。舌回しは、口を閉じて歯の外側をなぞるように大きく左側に舌を回します。右回りも同様です。

姿勢を正して、表情筋を活性化させる

デスクワークでは姿勢が崩れやすいため、座るときの姿勢を意識することが大切です。椅子に座る際は、背もたれにもたれずに骨盤を立て、肘と膝が90度になるように椅子や机の高さを調整しましょう。坐骨に負担がかかる場合は、圧力を分散できるクッションを使用すると、疲れにくくなり姿勢の崩れを防ぐことができます。
また、スマートフォンやパソコンを見るときは、画面の高さを目の位置に合わせ、首が前に出ないように意識しましょう。姿勢を改善すると、首周りの広頚筋やそれに繋がる表情筋が適切に使われるようになります。

生活習慣を改善して肌を整える

肌の再生は睡眠中に行われるため、ターンオーバーを促し細胞を生み出すためには、質の良い睡眠を十分にとることが大切です。また、血行を良くし、ターンオーバーを整え、むくみを防ぐためには、適度な運動も欠かせません。仕事や家事で忙しくて時間が取れない場合でも、スキマ時間に簡単な運動を取り入れることから始めてみるといいかもしれません。
さらに、喫煙は肌の老化を加速させるため、美肌を保つためには禁煙するのがベストです。

毎日の食事で体の中からたるみを予防する

細胞の老化を防ぐために、体内でAGEs(終末糖化産物)が増えないような食事を意識しましょう。AGEsが多く含まれるスナック菓子やファストフード、果糖を多く含む飲料はできるだけ控えることが大切です。同じ食品でも、高温で調理するとAGEsが増えやすくなるため、焼いたり揚げたりする頻度を減らし、蒸したり茹でたりする調理法を取り入れるのがおすすめです。さらに、食べる順番を工夫し、野菜を先に食べ、炭水化物を最後にするとAGEsの生成が抑えられます。糖化の抑制になる、ビタミンCを多く含む緑黄色野菜やフルーツ、ポリフェノールが豊富なりんごやナッツ、緑茶などの抗酸化食品を積極的に摂ることも有効です。

この記事の監修医師

銀座よしえクリニック 総院長 廣瀬 嘉恵 医師

銀座よしえクリニック 総院長廣瀬 嘉恵 医師 医学博士

  • 東京大学大学院医学研究科修了 医学博士号取得
  • 日本再生医療学会再生医療認定医
  • 日本再生医療学会代議員
  • 日本皮膚科学会会員
  • 日本美容皮膚科学会会員
  • 日本美容外科学会会員
  • 国際抗老化再生医療学会会員
  • 日本温泉気候物理医学会会員

銀座よしえクリニック 総院長
廣瀬嘉恵医師のプロフィールはこちら

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