急増する美容医療トラブルと失敗しない美容クリニックの選び方

近年、脱毛や薄毛治療、医療ダイエットなどの自費診療を行う美容クリニックの開業が急増しています。国民生活センターによると、美容クリニックの急増に伴って美容医療に関するトラブルの相談件数には2020年は2,209件だったのが、2022年には3,701件、2023年度には6,255件と急増しています。

自費診療の美容医療

美容医療とは、しみ、しわ、たるみの治療や、医療脱毛、アートメイク、脂肪吸引、豊胸手術、二重まぶた手術、薄毛治療、医療ダイエット、包茎手術などのお悩みやコンプレックスではあるものの日常生活に支障がない、もしくは美容を目的とした治療が該当します。これらの美容医療は保険診療の適用にはなりません。
美容医療は公的な医療保険が適用されない自由診療で行われるため、費用は全額が患者さんの自己負担となります。

乱立する美容クリニック、院長の名義貸し

多くの人が美容クリニックを訪れて診察を受けるようになっていますが、美容クリニックの乱立によって治療の質より薄利多売を行うクリニックが増えています。中には医師免許を取得したばかりの研修医を多く採用し、医療トラブルを引き起こしているクリニックもあるようです。
また、医師以外の異業種でも参入可能な「一般社団法人」として設立された美容クリニックが東京や大阪で急増し、管理医師の「名義貸し」が疑われるケースが見られています。

「一般社団法人」の美容クリニックの急増

一般社団法人によるクリニックの設立によって、医療法人と異なり医師でなくても経営者となることが可能なため、美容医療業界へ参入しやすくなりました。一般社団法人は設立にあたっては登記のみで良く、法人設立費用のコストが抑えられる、設立までの期間が短い、開設後の事業報告義務もないなどのメリットがあります。特に東京23区と大阪市では、この5年で6倍に増加し、その多くが美容関連の自由診療を行うクリニックです。
一般社団法人運営の美容クリニックの中には利益を優先する経営方針が採られており、医療法人と比較して医療倫理や安全よりも収益性が重視されるクリニックがあります。
またクリニックを開設するには、原則として常勤の医師が管理者として必要ですが、管理医師が常勤せずにアルバイトの医師しかいないクリニックもあります。

管理医師がいないクリニックの診療体制と医師の「名義貸し」

一部の一般社団法人が開設した美容クリニックの中には医師が「名義貸し」しているクリニックがあります。そのクリニックでは管理医師は常勤しておらず、医師はアルバイトのみ、トラブルが起きた際のマニュアルは整備されていないという話があります。
全ての一般社団法人のクリニックが医療トラブルの原因ではありませんが、クリニックを選択する上で、信頼できるクリニック・医師かをしっかり見極めることが大事です。

美容クリニックを選ぶ時に気を付けるポイント

多くの美容クリニックは患者さんに対して、医療に対しても誠実に取り組んでいます。しかし、中には安さだけを重視したり、治療内容の説明が十分に行わないで治療を提供しているクリニックもあります。

料金の安さだけでクリニックを選ばない

美容医療は自由診療のため、同じ施術でもクリニックごとに料金が違っています。「今だけキャンペーン中」「今だけ○○%OFF」「今だけモニター募集」など料金の安さだけを強調した広告も多数あります。効果やキレイな仕上がりの症例写真、メリットなど、都合のいいことだけが書かれている場合もあるので注意が必要です。あまりにも安さを推しているクリニックでは、施術する医師や看護師の技術力が不十分だったり、十分な説明、アフターケアを受けられない可能性があるので注意が必要です。

口コミやSNSの情報だけでクリニックを選ばない

美容クリニックに関する情報は、ランキングサイトや口コミ、SNSなど様々な媒体から得られます。実際に施術を体験した患者さんのBefore/After画像や感想は貴重な情報ですが、情報の正確性や信頼性は必ずしも保証されているわけではありません。中にはランキングの基準が曖昧だったり、口コミは成りすまし投稿の可能性もあります。
全ての口コミやSNSの情報がウソといわけではありませんが、インターネット上の情報は必ずしも正確とは限らないため、情報の信頼性を見極める必要があります。

診療内容や医師の情報を確認する

クリニックのホームページでは治療の効果やメリット、キレイなだけの症例写真など、良い面だけが強調されていることがあります。美容医療を受ける時は一ヶ所だけの情報を信用するのではなく、様々な媒体から情報を集め、施術のメリットとリスク、副作用やダウンタイムなどを理解することが大事です。また名義貸しクリニックもあるため、クリニックの責任者や医師の情報の掲載がない場合も注意が必要です。

施術を受ける前に診察(カウンセリング)をしっかり受ける

美容クリニックで行う治療は医薬品や医療機器を使った医療行為になります。そのため、事前の診察(カウンセリング)時に施術方法やリスク、副作用、費用の説明が十分に行われている事が大事です。患者さんの要望や治療への不安に対して、医師や看護師が適切なアドバイスをしてくれるか、希望に沿った治療を提案してくれるかも重要です。
ご自分が納得するまで説明を聞いて、本当にその施術が必要か検討するようにしましょう。

消費者庁では美容医療を受ける前のチェックポイントを出しています。

  • Check1 使用する薬などがどのようなものか、自分でも説明できますか?
  • Check2 効果だけでなく、リスクや副作用などについても知り、納得しましたか?
  • Check3 ほかの施術方法や選択肢の説明も受け、自分で選択しましたか?
  • Check4 その施術は「今すぐ」必要ですか?最後にもう一度、確認しましょう。

美容医療を受ける前に確認したい事項と相談窓口について
「美容医療を受ける前にもう一度(詳細版)」(令和6年1月)

銀座よしえクリニックのこだわり

銀座よしえクリニックのこだわり

当院では患者さんの症状を丁寧に診察し、治療内容の理解と同意を得る「インフォームドコンセント」を重視しています。あらゆる肌の悩みに熟知している当院では、患者さんお悩みを原因から改善できるように最適な治療法をご提案させていただきます。

この記事の監修医師

銀座よしえクリニック 総院長 廣瀬 嘉恵 医師

銀座よしえクリニック 総院長廣瀬 嘉恵 医師 医学博士

  • 東京大学大学院医学研究科修了 医学博士号取得
  • 日本再生医療学会再生医療認定医
  • 日本再生医療学会代議員
  • 日本皮膚科学会会員
  • 日本美容皮膚科学会会員
  • 日本美容外科学会会員
  • 国際抗老化再生医療学会会員
  • 日本温泉気候物理医学会会員

銀座よしえクリニック 総院長
廣瀬嘉恵医師のプロフィールはこちら

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