40代から始めるたるみ毛穴・帯状毛穴の徹底解消法

開き毛穴や黒ずみ毛穴など、毛穴にお悩みの方は多くいらっしゃいますが、30代、40代以降になると「毛穴がポツポツと目立つようになってきた」「ファンデーションを塗ると余計に毛穴が目立ってしまう」「毛穴がつながって細かなシワのように見える」といったお悩みに変化するケースが多く見られます。
これは毛穴の形が変形して目立つ、いわゆる「たるみ毛穴」「帯状(たいじょう)毛穴」と呼ばれる症状です。肌のハリや弾力が不足する事が原因で起こる症状で、美容医療によって改善が可能です。
このコラムでは、たるみ毛穴・帯状毛穴の原因や予防方法、さらに効果が期待できる最新の美容医療による治療をご紹介します。

老けて見えるたるみ毛穴・帯状毛穴とは

「たるみ毛穴」は加齢や、紫外線ダメージや乾燥などの外的要因によって、真皮のコラーゲンやエラスチンなどの弾力線維が減少したり、破壊されたりすることで現れます。肌のハリや弾力が失われて、皮膚がたるんで下がることで、もともとは丸い毛穴が重力に引っ張られる形で広がって、縦長の楕円形に変形し、“しずく型(涙型)の毛穴”として目立つようになります。

毛穴が開いていない状態
毛穴が開いていない状態
たるみ毛穴の状態
たるみ毛穴の状態

さらに肌の衰えが進行すると、弾力を失った皮膚が細かなミゾをつくり、たるみ毛穴同士がつながって線状になります。これが「帯状(たいじょう)毛穴」と呼ばれる状態で、小鼻の横から頬にかけて好発し、この状態にまで進行するとセルフケアでの改善は難しくなります。

帯状毛穴

たるみ毛穴と開き毛穴との違いとは

たるみ毛穴とよく間違われるのが、「開き毛穴」です。開き毛穴とは、毛穴の中に古い角質や皮脂が「角栓」となって詰まってしまい、毛穴がすり鉢状にぽっかりと開いている状態のことを指します。毛穴に詰まった角栓をそのまま放置すると、酸化して黒ずんでしまったり、ニキビの原因となります。皮脂分泌が活発な人がなりやすく、詰まりの原因である角栓をピーリングなどで取り除くと解消しやすくなります。
一方、たるみ毛穴は、コラーゲンなどの弾力成分が減少して肌のハリが失われ、皮膚がたるむことで毛穴が楕円形に変形したもので、皮脂を取り除いても元には戻りません。
ご自身の毛穴がどちらかを簡単に判別する方法として、毛穴が目立つ部分の肌を少し持ち上げてみてください。毛穴が目立たなくなれば「たるみ毛穴」で、毛穴の状態がそのままであれば「開き毛穴」です。

開き毛穴
開き毛穴
たるみ毛穴
たるみ毛穴

どんな人がたたるみ毛穴・帯状毛穴になりやすい?

30代以降、40代、50代と年齢を重ねるにつれ肌の弾力は自然と衰えるため、たるみ毛穴や帯状毛穴ができやすいと言えます。
また年齢とは関係なく、生まれつき皮膚が薄い人は皮膚がたるみやすく、必然的にたるみ毛穴が発生しやすい傾向にあります。

その他にたるみ毛穴になりやすい人は?

肌のコラーゲンなどを減少させる以下のような習慣は、たるみ毛穴の原因となるため注意が必要です。

日常生活において紫外線対策を行わず、よく浴びている

紫外線の中でも、特にUV-A波と呼ばれる波長は真皮層まで進入してコラーゲン変性などのダメージを与えます。そのため、紫外線をよく浴びる人は、若くてもシワやたるみが生じやすく、皮膚がたるむことでたるみ毛穴も進行しやすくなります。

摩擦などで肌に物理的なダメージを日常的に与える

例えばお化粧を落とす際や洗顔時に肌をゴシゴシと強くこすると、皮膚表面の皮脂膜や角質層が剥がれやすくなります。これらは肌本来の潤いを保持したり、乾燥などから肌を守ったりする役目を担っているため、剥がれ落ちることで肌の水分が失われてバリア機能も低下し、シワやたるみの原因となり、毛穴もたるんでしまいます。
また、過度に皮脂を取り過ぎることで肌の乾燥が進み、ハリが失われて毛穴がたるみやすくなります。

適切な保湿ケアを行わない

肌のハリを保つには、適切な潤いを肌の内側に与えることが大切です。特に真皮層の70%は水分が占めており、水分不足になると乾燥してハリが失われて毛穴のたるみにつながるため、保湿ケアを怠ることはNGです。
肌を適切に保湿すると、潤いやハリが戻るため、たるみ毛穴の予防につながります。

30代でもたるみ毛穴になる?

上記のような生活習慣のある人や、もともと皮膚が薄くたるみやすい人は、30代の前半でもたるみ毛穴や帯状毛穴になる可能性もあります。
そのため普段のセルフケアで、たるみ毛穴にならないように予防することが大切です。

たるみ毛穴のセルフケアで予防する

たるみ毛穴は、適切なスキンケアによって予防が可能です。

UVケアで紫外線のダメージを防ぐ

まずは紫外線対策としてUVケアをしっかりと行ってください。特に真皮まで届くUV-A波は、曇りの日や室内に居ても肌に届いて悪い影響を与えてしまうため、毎日紫外線防止成分が入った化粧品や日焼け止めを使うことをおすすめします。

肌に負担をかけない洗顔方法でバリア機能を守る

洗顔やクレンジング時などに極力激しい摩擦を避けることも大切です。肌をゴシゴシこすらずに汚れを落とせるオイルやクリーム状のクレンジング剤を使用し、水またはぬるま湯で洗い流します。洗顔後はタオルを顔に優しく押しつけるように水分を拭き取りましょう。1日2回以上の洗顔や熱いお湯や洗浄力の高すぎる洗顔料の使用は、乾燥や肌トラブルの原因になるため過度な洗顔も避けてください。

しっかり保湿ケアしてハリと潤いをキープする

肌の保湿はたるみ毛穴を予防するうえでとても大切ですので、季節を問わずしっかりと保湿ケアを行いましょう。ドラックストアなどで販売しているプチプラの化粧水でも結構ですので、量を惜しまずにたっぷりと肌に浸透させてください。保湿の有効成分であるヒアルロン酸やセラミド、スクワランなどが配合されたものがおすすめです。化粧水の後は、水分の蒸発を防ぐ油分の入った乳液やクリームなどを使い、乾燥を防ぎましょう。

栄養バランスや生活習慣にも気をつける

肌のコンディションは、食事や睡眠などの生活習慣によっても変わってきます。
肌の弾力のもとになるタンパク質やターンオーバーを整えるビタミン類等が含まれる食材を積極的に取り入れましょう。就寝中に成長ホルモンが活発に分泌されるため、睡眠不足は肌荒れや肌の新陳代謝の低下を招きます。たるみ毛穴を防ぐには、栄養バランスの取れた食事や十分な睡眠を取るようにしましょう。

たるみ毛穴は、肌のハリや弾力の衰えを助長する生活習慣を見直すことで予防することができます。
ただし体質や環境、あるいは加齢によって、気を付けてはいても予防ケアだけでは限界はきてしまいます。一般的に、25歳前後に肌は一番良い状態のピークを迎え、その後は下り坂に入ります。30代に入ると、20代の頃のピンとハリのある肌でなくなってくるのを実感し、40代に入るとシワやたるみが現れ、50歳を過ぎると「私はたるんでないわ」と言える人はほとんどいなくなります。
そのため、シワやたるみが現れる40代以降は、たるみ毛穴についても積極的なケアが必要になります。ただし、たるみ毛穴や帯状毛穴は、上記のようなセルフケアでは改善が難しいため、医療的なアプローチが必要となります。

この記事の監修医師

銀座よしえクリニック 総院長 廣瀬 嘉恵 医師

銀座よしえクリニック 総院長廣瀬 嘉恵 医師 医学博士

  • 東京大学大学院医学研究科修了 医学博士号取得
  • 日本再生医療学会再生医療認定医
  • 日本再生医療学会代議員
  • 日本皮膚科学会会員
  • 日本美容皮膚科学会会員
  • 日本美容外科学会会員
  • 国際抗老化再生医療学会会員
  • 日本温泉気候物理医学会会員

銀座よしえクリニック 総院長
廣瀬嘉恵医師のプロフィールはこちら

Related posts