顔が大きく老けて見える下膨れ顔。その原因と顔痩せのポイントを解説

頬からアゴにかけて膨らんでいる下膨れ顔。身体は太っていなくても太って見えたり、実際の年齢より老けて見えたりすることから悩んでいる人も多いかもしれません。このコラムでは、顔を大きく、そして老けて見せる原因である下膨れ顔の原因と解消方法、そして美容医療での治療を紹介します。

老けて見える? 顔が大きい? 下膨れ顔とはどんな顔

下膨れと言われてイメジするのは、丸みのある頬や全体的にふっくらした印象の顔ではないでしょうか。その他にも具体的な下膨れ顔の特徴を見てみましょう。

下膨れ顔とは

下膨れ顔とは、顔の上部よりも下部に丸みがあり、頬のボリュムが目立つ顔立ちを指します。丸顔と似ていますが、丸顔は縦横の比率が1:1で全体的に丸いことに対して、下膨れは頬骨からアゴ周りが特に膨らんでおり、二重アゴが目立つ場合もあります。

下膨れ顔は老けて見える

下膨れ顔は、親しみやすく優しい印象を与える反面、実際の年齢より老けて見えたり、太って見えたり、顔が大きく見える要素にもなります。

なぜ、下膨れになるの? 下膨れ顔の原因

下膨れ顔になるのは、生まれつきの骨格が原因とは限りません。

脂肪が蓄積すると顔が大きくなり、下膨れ顔になる

体重が増えると脂肪が蓄積されます。脂肪のつき方には個人差があり、必ずしも顔に脂肪が付くわけではありませんが、顔の中では頬やアゴは脂肪がつきやすい部位です。そのため、脂肪量が増えることで下膨れになる人も多くいます。顔の部分痩せは難しく、一度顔についた脂肪を落とすのは大変です。

筋肉が衰えると下膨れ顔や二重アゴになる

下膨れ顔の一因である顔のたるみや二重アゴは、表情筋やアゴから鎖骨にかけての広頚筋が衰えることで起こります。無表情でいると表情筋や広頚筋が使われないので、人と会う機会が少ないなど、表情を動かさない生活が続けば顔の筋肉は衰えます。また、口呼吸が習慣になっている人は口輪筋が衰えやすく、下膨れや二重アゴになることがあります。ぼんやりしているときに無意識に口が開いている人は、すでに口輪筋が衰えているかもしれません。

加齢が原因で顔がたるむと下膨れ顔につながる

顔を構成するのは、表皮、真皮、皮下脂肪、筋肉、骨の5つの層です。それぞれが加齢の影響を受けて、表皮は乾燥しやすくなり、真皮はコラーゲンやヒアルロン酸が減少します。さらに、脂肪と皮膚は垂れ下がり、筋肉は衰え、骨は減少します。これら5つの層それぞれの衰えが重なることでたるみや下膨れ顔が進行します。

咬筋の過剰な発達で、エラが張って下膨れ顔に見える

咬筋とは噛むために使う筋肉の一つですが、噛み合わせが悪かったり、片方だけで噛むクセがあったりすると咬筋が過剰に発達することがあります。他にも就寝中に無意識にしている歯ぎしりや食いしばり、集中している時の食いしばりのクセも咬筋が発達しすぎる原因です。咬筋が発達しすぎるとエラが張り、顔が大きく見えたり、顔の下半分が膨らんでいるように見えたりすることがあります。

紫外線の影響による肌老化がたるみを起こし、下膨れ顔になる

地表に届く紫外線はUVA とUVBの2種類ですが、そのうち9割を占めるUVAは、波長が長く肌の奥まで達し、コラーゲンなどの肌細胞を破壊します。紫外線対策が不十分だと、1年中放射されているUVAの影響で肌老化が進行してたるみが生じます。

生まれつきの骨格が原因で下膨れ顔になっている

生まれつき頬骨やアゴ周りの骨が横に広く張っている骨格の場合、少しハリがなくなってたるんだり、脂肪が増えただけで下膨れが強調されがちです。

悪い姿勢が招く、血行不良によるむくみも下膨れに関係している

運動不足や冷え、ホルモンバランスの乱れは血行不良を引き起こし、むくみにつながります。また、デスクワークの際のうつむき姿勢、長時間のスマートフォンの利用はストレートネックの原因になり、首にコリを生じさせ血行不良を起こします。猫背や巻き型など普段の姿勢の悪さも同様です。血行不良以外に女性ホルモンの影響や睡眠不足、塩分やアルコールの取り過ぎでも顔はむくみやすくなり、むくみが日常化すると下膨れになることがあります。

痩せても顔痩せはしない不思議

顔はついた脂肪が落ちにくい場所の一つです。なぜ顔痩せは難しいのでしょうか。

顔が痩せるのは体の後

脂肪には胃や腸など内臓に付く内臓脂肪と、顔や手足など筋肉と皮膚の間に付く皮下脂肪の2種類があります。内臓脂肪はエネルギーに優先的に変換されるため、体重が減少するときは、まずは内臓脂肪から落ち、その後に皮下脂肪が落ちるため顔の脂肪を落とすのは難しくなります。

顔痩せしないのは、脂肪以外が原因かも

また、咬筋の過剰な発達や血行不良によるむくみ、生まれつきの骨格が原因の場合は、体重が減っても顔が痩せることはありません。

下膨れ顔を目立たなくするにはどうしたらいい?

気になる下膨れをすっきりさせるためのセルフケア、メイクやヘアスタイル次第では、下膨れ顔の印象を和らげることもできます。

隙間時間の顔ストレッチで表情筋を鍛える

顔の筋肉を鍛えるとたるみ予防になります。表情筋のストレッチは、口を大きく開いて「あ、い、う、え、お」の形にします。一つずつ丁寧にゆっくりと、口周りやアゴ、首の筋肉も意識しながら口を大きく開けて数回繰り返すことで表情筋が鍛えられます。口呼吸の改善には、口を閉じたまま、歯茎をなぞるように左右それぞれの方向で大きく1周舌を回す、舌回し体操が有効です。

デスクワークの合間に首のストレッチで血行改善

ストレートネックや血行不良解消には、首のストレッチを取り入れてみましょう。姿勢を正して、胸の前で手をクロスして、ゆっくりと息を吐きながらアゴを上げるイメージで上を向いて首の筋肉を伸ばし、吸う息で戻します。次は右手で上から左のこめかみに手を当てゆっくり右側に倒します。反対側も同様に行います。

猫背やうつむき姿勢を正す

首を前に出すストレートネックと言われる姿勢や猫背の改善は、正しい姿勢を意識しましょう。デスクワークの際にうつむく姿勢は、ひじと椅子が同じ高さになるよう椅子の高さを調節しておくことで防げます。猫背防止のために座る時は浅く腰かけ、骨盤を立てるように座りましょう。同じ姿勢のまま長時間過ごさないように、定期的に腕や肩を回すなど簡単なストレッチを取り入れるのもお勧めです。

食生活を改善して、体重増加をコントロール

体重制限時もバランスの取れた食事が基本ですが、低脂肪で高タンパクの食材を中心に、蒸すなど調理法を工夫することで体重増加をコントロールできます。代謝をアップさせるビタミンBが含まれる豆類や魚貝類なども積極的に取り入れたい食材です。むくみが原因の場合は、カリウムが多く含まれているバナナやほうれん草、海藻類などを取ると塩分の排出を促す効果があります。また、食べ物をしっかり噛むことで口周りの筋肉が刺激されます。

紫外線対策で肌のハリを維持する

肌のハリを維持するためには、紫外線対策も必要です。夏や日差しがある日だけでなく、冬や日差しがない日でも日焼け止めを使用して、紫外線から肌を保護しましょう。抗酸化作用のあるビタミンCやポリフェノールを含む食品を摂って内側からの紫外線対策をしましょう。

メイクやヘアスタイルの工夫で下膨れ顔をカムフラージュする

頬を包み込むようなスタイルやフェイスラインに動きのあるヘアスタイルにすることで、輪郭は目立ちにくくなります。前髪を作る場合は、真っすぐではなく斜めに流したり、前髪の端の方を長くするのも効果的です。逆にマッシュヘアやボブスタイルなど、下側にボリュームがあるスタイルは下膨れを強調します。メイクでは耳のサイドから顔の中心にシェーディングを入れ、鼻先や鼻根、アゴ先にポイントとしてハイライトを入れると小顔効果が出るので、下膨れ顔の印象を和らげることも可能です。

この記事の監修医師

銀座よしえクリニック 総院長 廣瀬 嘉恵 医師

銀座よしえクリニック 総院長廣瀬 嘉恵 医師 医学博士

  • 東京大学大学院医学研究科修了 医学博士号取得
  • 日本再生医療学会再生医療認定医
  • 日本再生医療学会代議員
  • 日本皮膚科学会会員
  • 日本美容皮膚科学会会員
  • 日本美容外科学会会員
  • 国際抗老化再生医療学会会員
  • 日本温泉気候物理医学会会員

銀座よしえクリニック 総院長
廣瀬嘉恵医師のプロフィールはこちら

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